「小さいことにくよくよするな! 」㊻
96. 「あるがまま」に心を開く
「こうあってほしい」とないものねだりをするのではなく「あるがまま」に心を開く、
それが多くの哲学に共通する基本精神の1つだ。
私たちの葛藤の大半は「人生をコントロールしたい、いまとはちがうものにしたい」と
いう欲望から生まれる。だからこそ「あるがまま」に心を開くことが大切なのだ。
人生はりそうどおりに進むとはかぎらない(そんなことはめったにない)—–それが人生
なのだ。この真理を認識すればするほど、心の平和が大きくなる。
人生はこうあるべき、という先入観にとらわれると、いまの瞬間を楽しんでそこから
学ぶ機会を見失う。いま自分が経験していることを尊ぶ気持ちが薄れてしまう。
(中略)
不平や小言や失敗なんかでもないというふりをせずに、心を開いてそれらを超越する–
–つまり自分の計画どおりに人生が進まなくてもいいんだ、と思う。
日常のさまざまな問題のただ中で心を開くように練習すれば、やがて悩みの多くは気に
ならなくなる。パランスがとれたものの見方ができるようになる。
悩みと格闘すれば人生は戦場となり、あなたはピンポン玉のように卓球台を行き交う
だけになる。だが、今の瞬間に心を開いて「あるがまま」を受け入れると、もっと穏や
かな思いが浮かび上がってくる。
このテクニックを小さなことから応用してみよう。しだいに大きなことにも応用できる
ようになる。これはとてもパワフルな生き方だ。
97. おせっかいをやくな!
自分の習慣や人生のさまざまな問題や矛盾や悩みごとに対処するだけでも大変だという
のに、他人の問題にまでかかずらおうとすると、もっと穏やかに生きるという目標の
実現は不可能になる。
(中略)
人に助け船を出すなとは言わない。助け船を出すべきときと、ほうっておくべきときを
きちんとわきまえる、ということなのだ。
私は、頼まれもしないのにおせっかいをやきたがるタイプだった。その努力は実らない
ばかりか、たいていは感謝もされず、ときにはひんしゅくや怒りさえかった。
よけいなおせっかいをやく癖を直してから、私の人生はとてもシンプルになった。
そして、おせっかいをやめたいまは、頼まれたり本当に必要とされたときに、心ゆくま
で助け船を出せるようになった。
よけいなおせっかいをやかないということは、人の悩みを解決したい誘惑をしりぞける
だけではなく、立ち聞き、噂話、陰口、人がしていることを分析したり批判することも
含まれる。私たちが人の欠点や悩みを気にする大きな理由の1つは、そうすれば自分の
欠点や悩みを見つめずにすむからだ。
おせっかいをやこうとする自分に気づいたときは、そこから遠ざかる謙虚と知恵も
もち合わせていることを祝福しよう。
よけいなおせっかいをやめれば、本当に求められたときに百人力を発揮できるようになる。
この続きは、次回に。
2025年8月23日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美