認知症はもう怖くない ㉘
意識的にコミュニケーションを取ってみる
コミュニケーションを取る大切さは、たとえ一人暮らしだとしても、常に頭に置いてほしいところです。
コミュニケーションを取るには頭を使いました。言葉を発することができるのは、言語中枢が
働いているということでもあります。
コミュニケーションは、患者さんと医師が対等の関係であるときに成り立つと考えています。
とくに認知症の患者さんには大切な診療手法のはずです。
幼い子供たちと接してみよう
子供たちと顔なじみになって、気楽におしゃべりできるようになれば、さらにいいことにつながります。
大人とは違う、びっくりするような内容をしゃべり、遊びを〝仕事〟にしている小学生と仲良くなる
ことで、脳は、楽しく驚きに満ちた刺激を受け続けることになるからです。
もちろん、先の「愛情ホルモン」オキシトシンが分泌され、シナプス活動が活性化します。
自分自身が子供だったころのことを思い出すのも、また、楽しいひとときとなるはずです。
長く続けられそうな趣味を持とう
認知症の予防には、身体能力、知的能力、社会的能力を高めるような作業、要素が含まれている活動が
有効とされています。たとえば、小旅行などは、計画や準備から楽しめるのでうってつけといえます。
ある研究によると、認知症の予防効果があるのは、知的活動としてはボードゲーム(将棋、チェス、
オセロゲーム等)がもっとも効果があり、次いでピアノ、ギター、ハーモニカ等の楽器演奏でした。
また、コーラスやカラオケも同様の効果が期待されます。
身体活動ではダンスが高スコアで、次いで散歩、水泳でした。
脳の活性化には〝ときめき〟も大事とされています。
その点でもダンスの効果は大きいかもしれません。
絵を描くことや陶芸、工芸、編み物など指先を使う作業は脳を刺激し、血流量が増えて認知症予防や
進行の抑制に効果があると昔から言われています。
また、習字のように指導者のお手本を見て書くのも、風景などと自分のイメージを同期させて絵筆を
持って絵画を描くのも、とても有効な脳のトレーニングです。
刺繍や裁縫もとてもよいようです。
仕事ひとすじの生活を続けてきた人の場合、定年退職して何か趣味を持とうと思ったところで、
「何をしたらいいか、わからない」という方も少なくないと思います。しかし「心配ご無用」です。
ゆっくりと新聞を読むという趣味はどうでしょう。政治・経済、国際社会やスポーツのニュースから、
イベントのお知らせ、広告と内容は目白押しで、想像力を養い、脳の活性化にはうってつけです。
さらに新聞を声に出して読めばなおけっこうです。
趣味というのは、自分だけのものでよいのではないでしょうか。
相手に自慢するものではなく、自分が楽しめて役立てば、それが趣味だと思います。
この続きは、次回に。