ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本⑯
30 変化をマネジメントする組織を作る
—組織自体も変化していかなければならない
⚫️ 「変化自体もマネジメントする」
「知識社会」は変化に富んだ社会だ。
一つの知識はすぐに古くなる。
変化に対応するのは知識労働者だけではない。
「組織」の柔軟に変化していかなければならない。
前述したように、ドラッカーは「今、すべきか。今、はじめるべきか」と考える。
「そうでないものはやめるべきだ」。変化も同じことだ。
「変化をマネジメントする組織」を作ることが肝要だ。
⚫️ 変化のポイントは三つある
企業にとって変化することは重要だ。
そのポイントは三つある。
1 「製品やサービスの継続的変化」。
戦前からあるような伝統の商品はたいてい時代に合わせて改善を繰り返している。
だから長続きするのだ。
2 「新しい適用方法の開発」。
今成功しているものでも次の時代には使えないかもしれない。
また、まったくちがったマーケットを掘り起こせるかもしれない。
3 「組織自体のイノベーション」。
組織がそのままで製品やサービスだけを変化させることはできない。
組織も日常的に変化させなくてはいけない。(その手法は後述する)。
⚫️ ドラッカーの予測は当たってしまった
ドラッカーはあらゆる組織が一定であると考えない。
だから、「悪い予測」が当たってしまった。
◽️ 変化をマネジメントするためのポイント
- 継続的変化—製品やサービスを改善
- 新しい適用方法—まったく違うマーケットを掘り起こす
- 組織のイノベーション—挿し木だけそのままで製品やサービスを変化させることはできない。
31 イノベーションはたんなる改善ではない
—-連続的に新しいものを結合する
⚫️ 「イノベーション(革新)」は連続性だ
「イノベーション」とは何か。ひと言でいえば「新結合の推進」だ(シュンペーター)。
わかりやすくいえば「駅馬車から汽車への変化」だ。
物流時間は大幅に短縮され、輸送量は爆発的に増える。
これこそイノベーションだ。
ドラッカーは嘆いている。
「多くの組織は『イノベーションとは何か』『イノベーションをいかにして行うか』を理解していない。
単に今までやってきたことの継承か、改善かにとどまっている」。
⚫️ 新しい物が結合していく
シュンペーターは「新結合が創造的破壊を実行する。それがイノベーションだ」という。
ドラッカーはイノベーションを「顧客の創造の機能」と位置づけた。
「イノベーションとマーケティングが『マネジメント』の大きな機能なのだ」(ドラッカー)
⚫️ ドラッカーの定義
明確な目的意識、よく練られた方法、丹念な分析などによる凡人の努力から生まれるものである。
つまり画期的よりは組織的であり、独創的よりは体系的なものである」。
ドラッカーは「イノベーションはリスクが大きい」という。
しかし、イノベーションをしないことのリスクはもっと大きいという。
大きな変革はなかなかできない。
イノベーションは「保守的」にならざるを得ない。
そこで「パイロット版」を作る必要がある。組織、サービス、製品など、小規模な実験パターンを
作って試すのだ。
この続きは、次回に。