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池上彰のやさしい経営学 1しくみがわかる ㉑

14項目の「こんなものいらない」

さて、フリードマンは自著の中で「こんなものいらない14項目」というのを挙げています。

ここからは、そのいくつかを紹介します。

 

その1  農産物の買い取り保証価格制度はいらない

              ※   省略致します。

 

農業者戸別所得保障制度:農家を保護するため、農産物の価格が生産コストを下回った場合、

政府がその差額を農家に保障する制度

 

その2  輸入関税・輸出制限はいらない

               ※   省略致します。

 

輸入関税:輸入品に対してかけられる関税

 

その3  家賃統制、物価・賃金統制はいらない

               ※   省略致します。

 

その4  最低賃金制度はいらない

               ※   省略致します。

 

最低賃金制度:日本では各都道府県別に最低賃金が定められている。

2013年の全国平均は1時間764円。

 

モラルハザード:主に金融の世界で発生する被保険者のリスク回避行動の阻害という現象を指す。

保険業界では保険加入によって生じる安心感から運転手がリスクを冒しやすくなることなどが一例。

 

その5  社会保障制度はいらない

                ※   省略致します。

 

年金:日本では満20歳以上60歳未満の人は国民年金や厚生年金、共済年金に加入し、

保険料を納付することが義務づけられている。

 

その6  事業や職業に関する免許制度はいらない

               ※   省略致します。

 

その7  民間の郵便事業を禁止してはいけない

               ※   省略致します。

 

郵政民営化:旧郵政事業庁から、郵便、郵便貯金、簡易保険の3事業を引き継いだ旧日本郵政公社の民営化。

小泉政権の下、持ち株会社と4つの事業会社に分社化された。

 

その8  公営の有料道路はいらない

               ※   省略致します。

 

道路公団の民営化:国の特殊法人改革の一環として、約40兆円の債務返済、道路建設のコスト削減、

サービスの多様化などを目指し行われた旧道路4公団の民営化。

 

小泉・竹中路線:小泉首相が民間から経済学者の竹中平蔵氏を経済財政担当大臣に起用、竹中氏は

小泉構造改革の知恵袋となった。

 

学校選択制もフリードマンが提唱した

日本では1998年から学校選択制というのが各地で始まっています。

            ※ 省略致します。

 

学校選択制:教育行政の規制緩和が推進される中で、学校選択制が広まった。

特色ある学校づくりや教育の質の向上につながるとの支持がある一方、学校格差の拡大などを

招くという批判もあり、いったん制度を導入したものを見直す自治体も現れている。

 

企業の社会的責任は不要

日本でも、企業のメセナ活動というのがあります。

企業がコンサートや絵画展を開いたり、若手の芸術家を招いてイベントを開いたりしていますね。

フリードマンはこう言っています。

企業経営者は社会的責任など考える必要はない。

企業というのは、株主のものである。

だから企業経営者は利益を上げて、それを株主にどれだけわたすかを考えればいいんだ。

株主に利益を配分することなく、儲かったのでといって勝手にメセナ活動やボランティア活動などを

やったら、株主に対する裏切りになる。儲かったらちゃんと株主に利益を渡し、その利益を

受け取った株主がメセナ活動なりボランティア活動なりをすればいい。

これがフリードマンの主張です。

 

企業のメセナ活動:企業などによる、経済的に成り立ちにくい芸術活動の支援活動。日本では1990年に

企業メセナ協議会が発足し、企業の援助金がこの組織を通じて配布されるようになった。

 

 

この続きは、次回に。

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