書籍「はじめよう シェアリングビジネス」⑮
PART4: プラットフォームビジネス成功の鍵
おもにプラットフォームを介して取引が実現するシェアリングエコノミー。
ここ数年で日本でもシェアリングビジネスのプラットフォーム企業が急速に増加。
プラットフォーム間の競争も激しくなってきた。
日本のシェアリングエコノミーの市場環境と、プラットフォームビジネスを成功させるポイントを
まとめる。
◯ データで読み解くシェアリングエコノミー
ビジネス界で熱い注目を集めるシェアリングエコノミー。
それでは、一方の消費者側はどう見ているのだろうか。
PwCコンサルタントがこのほど国内で実施した意識調査を読み解いてみよう。
□ 「知っている」3割、10〜20代の過半数が利用に関心
◉ 認知されているサービスのカテゴリー
「知っている」と回答した人が認知しているサービスのカテゴリーは「モノ」が最多。
◉ 認知:年代別内訳
認知している人の内訳は20台がもっとも多かった。
◉「シェアリングエコノミーのサービス」の認知
「知っている」と答えた人は3割。国内での認知度がまだ低いことが浮き彫りになった。
◉ 利用経験:年代別内訳
利用経験者を年代別にみると20代が最多。若年層はシェアビジネスになじみやすい。
◉ 「シェアリングエコノミーのサービス」利用経験
利用を経験した人は、まだ10%に満たない。
□ 「イノベーション」「人のつながり」創出に期待も
◉ 「シェアリングエコノミー」の発展が日本経済・社会に与える影響
約6割が日本経済・社会にプラスの影響を与えるとみている。
◯ プラットフォーム視点で考える成功戦略
個人のスキルを使用する「ココナラ」やモノをリユースする「メルカリ」など、この数年で
新しいビジネスが次々と立ち上がり、シェアリングサービスが注目を集めている。
こうしたビジネスを成功に導くための戦略とは何か、早稲田大学ビジネススクール教授の
根来龍之氏に聞いた。
◉ レイヤー構造
産業内の補完関係が縦に積み重なった構造。
例えば電子書籍は、コンテンツ、ストア、閲覧アプリ、ハード・OS、通信ネットワークという
レイヤーからなる。レイヤー構造においては、消費者は各レイヤーの製品・サービスを自由に
組み合わせて購入・利用することができる。
◉ バリューチェーン
企画・開発、素材・部品から、製造、販売、配送までの、企業間あるいは業界間をまたがる
付加価値の連鎖。
例えば自動車産業では、完成車メーカーが企画・開発と製造を担い、系列企業が部品を製造し、
系列ディーラーが販売する。消費者が提示する製品種類からしか選択できない。
● ビジネスの戦略的視点
プラットフォームという概念
● 媒介型プラットフォーム
シェアビジネスの特徴と問題点
● シェアビジネスの成功原理は
仕組みとルールの設置
この続きは、次回に。