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ブランディングが9割 ⑳

✔  差別化を考える上での注意点

 

差別化にはコツがあります。ポジショニングマップを描いても、実際に

やって見たらうまくいかなかった、というのはよくあることです。

それは、差別化する際にありがちなワナに陥ることがあるからです。

 

では、差別化におけるワナとは、どういったことなのでしょうか。

 

1. 「品質と価格」という軸で差別化しようとする

 

よく「品質」と「価格」の2軸を描くポジショニングマップを見るのですが、

品質と価格で差別化を図ることはできません。

理由は簡単です。正比例するからです。

もちろん、品質が良くて企業努力で価格がやすいモノもあるかもしれませんが、

基本的に(統計的にも)品質が良いモノは価格が高い傾向にあります。

そのため、品質と価格の2軸でブランドを置いてもあまり意味がなく、

差別性を表現することはできません。

 

2. 強い競合に引っ張られて、自社ブランドの「らしさ」を失う

 

競合に強いブランドがいるなら、それに引っ張られて似たようなブランドに

なってしまうのは極力避けたいところです。

それゆえに明確なポジショニングが必要なのです。

なんとなくデザインしていて、なんとなく無印良品のようなシンプルな

デザインになってしまい、その結果、お客さんから「無印良品っぽいね」と

言われたら終わりです。

自社ブランドの「らしさ」を見つけ出し、独自性を構築する必要があります。

 

3. 競合との差別化に気を取られすぎて、既存のお客さんを忘れてしまう

 

差別化を考えるとき、「競合に負けないためにどうすればよいか」を考え

ますが、競合に勝つことや競合との違いを考えるあまり、「お客さんが

望んでいること」からかけ離れていく場合があります。

これには注意が必要です。

 

既存のお客さんの期待が何かを忘れてはいけないのです。

 

4. 自社の良さばかり考えて、お客さんの視点を忘れてしまう

 

ブランドづくりの差別化においては、お客さんの視点を外すことはでき

ません。

自社の強みだけを考えると、そのブランドの独りよがりになる危険性が

あるので、お客さんの視点を忘れないよう注意が必要です。

「お客さんの意見を聞いていたら、iPhoneは生まれなかったのではない

か?」という方もいますが、iPhoneは、お客さんのインサイトにもとづく

潜在的なニーズに応えることができたから成功したと言える、と私は考えて

います。

ジョブスは決して独りよがりだったのではなく、ユーザーの利用シーンを

とことん考えていたのではないでしょうか。

 

5. マーケットがなければ差別化にならない

 

差別化し過ぎるあまり、お客さんがいなくなっては意味がありません。

そもそもそこにマーケット(市場)がなければ差別化にはならないので注意

しましょう。

マーケティングは市場創造という人もいますし、何もないところに市場を

つくり、お客さんを新たに生み出すという考えももちろん重要です。

しかし、お客さんがいなければ売上が見込めるはずもありません。

 

6. 勝てると思うのに、競合がいるところでは勝負しない

 

ポジショニングマップで軸を引いたときに、自社ブランドが挑戦しようと

していた領域に競合がいたとします。

もし、その領域で1位になれる自信があるのなら、ぜひその競合に勝負を

挑みましょう。1位になってお客さんにその価値を知ってもらい、自社の

ブランドを提供することができればよいのです。

 

 

この続きは、次回に。

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