お問い合せ

書籍「すごい物流戦略」 アイリスオーヤマ ④

・EC「アイリスプラザ」の優位性

 

アイリスオーヤマは、成長業態に自分たちの業容を合わせることにより

大きな成長を遂げてきました。それがこれまではホームセンターであり、

ドラッグストアでした。そしてこれからの成長業態として注力している

のがEC「アイリスプラザ」です。

市場拡大のため展開してきた海外店舗を閉め、越境ECに切り替えようと

していることからもその本気度がうかがえます。

もっとも、同社がネット通販に参入したのは2001年のことですから、

いつ本気担ってもいいように下地を作り続けてきたということは容易に

想像できると思います。

しかしネット通販の世界は、今やアマゾンという巨人が覇権を握ろうと

しています。そんな世界にシフトして行こうとするアイリスオーヤマですが、

はたして勝機はあるのでしょうか。その答えはアイリスプラザを実際に

見てみればわかります。

アイリスプラザには、「私にとってのオンリーワン」がラインアップされて

いるのです。

 

・「業態メーカーベンダーシステム」の特徴とメリット

 

1つのヒット商品、限られたカテゴリーに執着せず、取引先の業容拡大に

応じ、またあるときには先んじて、自社の業容を広げ成長の糧として

きたのがアイリスオーヤマです。

ここで1度、一般的な取引システムと、アイリスオーヤマが実践する業態

メーカーベンダーシステムとの違いを確認しましょう。

 

一般的な取引システムは、プラスチック製品、金属製品、木製品、ペット

フードなど、それぞれのカテゴリーごとに、メーカーがあり問屋があって、

小売店に納入され、生活者の手に渡るというものです。

それに対し業態メーカーベンダーシステムというのは、アイリスオーヤマが

製造機能(メーカー)と問屋機能(ベンダー)を持ち、小売店の売れ行き情報に

基づき、商品を自社工場で生産し、迅速に小売店に商品を納入できると

いうものです。

 

業態メーカーベンダーシステムの特長として考えられるものとして、

 

・多彩な素材で商品を開発

・問屋を通さないので新商品をスピーディーに市場に供給できる

・物流コストや中間マージンの削減により、商品価格を低く抑えられる

・全国の販売情報を小売店に還元できる

・生活者や小売店の情報を商品開発に活かせる

 

といったことが挙げられます。

小売店から生活者の手に渡るプロセスは、一般的な取引システムと同じ

流れになりますが、生活者のニーズに合わせた商品を、タイムリーに小売店の

店頭に届けることが可能になるという点で、メーカーベンダーや小売店は

売上げ拡大を期待でき、生活者としても自身のニーズに適った商品に触れる

機会が増えるというメリットも出てくるでしょう。

 

 

 

この続きは、次回に。

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