Coffee Blake-令和3年8月22日(日)「シニア起業の落とし穴」
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シニア起業の落とし穴
定年を機に独立して自営業やフリーランスになる人が増えてきている。
中小企業庁が発行している2020年版「中小企業白書」によれば、フリーランス
起業家の年齢を見ると男性の場合は50〜59歳が30.8%、60歳以上が16.4%。
合わせると5割近くを占めた。
長く働くことは老後の収入面では重要なことだが、シニアの起業は必ず
しも全てうまくいくわけではない。
私の経験からすると、起業がうまくいかない人には3つの特徴があるように
思える。
① 見栄えにお金をかけ過ぎる
定年後に起業する場合にありがちなのが、うれしさのあまり見栄えに
お金をかけ過ぎるということである。
具体的にいうと都心のおしゃれな場所にオフィスを借りる、会社や事務所の
ロゴを高額なデザイン料を払って専門家に頼む、そして名刺に凝る、と
いったことがらである。だが、価値を生み出さないものにはお金をかける
べきではない。事務所や名刺は何らキャッシュを生み出さない。
やるべきことはこれから自分が提供しようとしているサービスや商品の
質を高めることである。そのためであればお金をかけてもかまわない。
何らかのリターンが見込めるものであれば、それは投資そのものである
から、お金はかけるべきだ。
● 見栄え(みばえ)
見た感じがよいこと。外観がよく見えること。
「―のする衣装」「―のいい盛りつけ」
● リターン
リターンとは期待される収益。
リスクとはその収益が実現されない可能性。
一般に、最もリスクの低い投資対象は国債で、元本償還と利払いがほぼ
確実な無リスク資産とされる。しかし、同時に期待リターンも最も低い。
● 投資
利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること。
転じて、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと。
「土地に投資する」「若いピアニストに投資する」
② 資格を取りたがる
これも定年起業にありがちなことだが、「まずは資格を取ろう」と
ばかりにファイナンシャルプランナーや社会保険労務士といった資格を
取ろうとする人が多い。しかし、資格取得以上に大事なことは「自分は
どういうビジネスをやりたいか」ということである。
そのために必要なスキルを身につけるための勉強は必要だか、それと
ビジネスの計画とは別物である。
資格取得以前に、自分のビジネスプランを考えることの方がはるかに
重要である。
● シニア起業家
シニア起業家とは、60代で起業する人材のこと(50代から起業する人材は
ミドルシニア起業家とも言います)で、定年退職後、もしくは退職前に
起業することを「シニア起業」と呼んでいます。
60代は定年退職など、人生のターニングポイントとなる年代でもあります。
2021/03/22
● ビジネスプラン
ビジネスプランとは商品やサービスを売り、さまざまな経費をかけながら
収益を上げる”事業”として見たときの計画のことです。
ビジネスプランにおける計画とは、商品やサービスを提供し、その対価
として売上、そのために必要な経費、およびその経過における資金繰りを
説明するものです。2015/08/24
③ ビジネス交流会に出たがる
実はこれもありがちな勘違いである。
起業したばかりのシニアがポケットにいっぱい名刺を入れて「ビジネス
交流会」のような場に出かけていくパターンだ。しかし、信用される
ためには〝ギブアンドテイク〟ではなく、〝キブファースト〟の考え方が
大事だ。なぜなら、あなたにはどんなことができてどんな能力があるかを
人に知らしめるためには、その人のために何かをやってあげなければ
いけないからだ。むしろそういう場ではなく、普段のいろんな人との
付き合いのなかから、あなたに対する信用というものは作られていく
のである。
このようにシニア起業にはいくつかの落とし穴がある。
私も自分でシニア起業を体験し、失敗して気が付いたものもあるが、
気を付けるべきは焦らないことと、舞い上がらないことである。
そして何よりも大事なことはまず、「自分が何をやりたいか」という
ことである。それをきちんと考え抜いてやることでおのずと先行きは
開けていくだろうと思う。
(経済コラムニスト 大江 英樹)
● ビジネス交流会
「ビジネス交流会」とは、ビジネスパーソン同士の出会いの場のこと。
特定の業界の人に限った交流会だけではなく、異業種の人が集まる
「異業種交流会」、フリーランスなど同じ働き方をしている人が
集まる会など、参加対象者は会によって異なります。2019/03/01
● ギブアンドテイク(Give and Take)
お互いに与え合うこと、奉仕し合うこと。
譲り合い、持ちつ持たれつの関係。 公平なさま。
● キブファースト(Give First)
自分から先に貢献する。
これは、2021.8.21に日経新聞に掲載されていた記事となります。
私にとっては、大変、〝耳のいたい内容〟でもありました。
当社は、「シニア対象の起業・創業支援サービス業」となります。
従いまして、この記事は大変、参考になりました。
私の考える「シニアの起業・創業とは」、
① これまでの、〝実務経験〟に基づくこと。
決して、未経験であるとか、第三者の目で見て、儲かりそうだとか、は、
失敗する可能性が高いと思います。
② 時代のニーズ-現在、将来に向けた業種・業態が望ましい。
いくら実務経験が長くても、時代にマッチしないのであれば、
成功する確率は低いと思います。
③ 起業・創業に投資するお金は、〝万が一の場合でも、その後の人生に
家訓を残さないこと〟
借金や生活不安等々で、〝セカンドライフ〟を過ごさないで欲しいと
思います。
④ 〝自分の夢の実現=起業・創業〟は、他の人にとっても〝夢の実現〟
でもあることもご理解して欲しいと思います。
具体的には、〝リスク軽減〟を図ることです。
同じ〝夢の実現〟異なる〝夢の実現〟でも結構です。
〝共同経営者〟〝パートナー〟を見つけるべきです。
Step1–初め-起業・創業当初は、〝一人親方〟で十分です。
事務所は、〝自宅〟で。
営業等で対面が必要な場合は、カフェ利用、シェア
オフィス活用で十分です。
Step2–事業が少しでも軌道に乗りつつ、人手が足りないと判断した
場合は、パートやアルバイトを雇用しましょう。
正社員の場合は、源泉所得税、社会保険料等々の固定費が
かかります。固定費は、少額が望ましいと思います。
Step3–より事業が軌道した場合は、〝アウトソーシング〟を活用しま
しょう。
アウトソーシングとは、税理士、社会保険労務士等々の士業と
言われる方々を活用することです。
Step4–従業員の雇用は、極力避けましょう。
仕事の進めるに当たり人員が必要な場合は、随時〝チーム制〟
として、〝アウトソーシング-専門家の活用〟対応が、資金の
有効活用ができると思います。
Step5–総括として、
総括として、
一、〝見栄え〟にお金をかけ過ぎないということは、必要不可欠以外は、
多くのお金をかけないと言うことです。
一、〝資格を取ること〟は、専門知識を得るためには必要なことです。
但し、〝定年前〟に取得するべきです。
また、〝資格取得〟するならば、実務経験も同時にすべきです。
時間はたくさんあるのですから、有効に活用しないといけません。
一、〝ビジネス交流会〟よりも、〝起業・創業セミナー〟に多く、参加
すべきです。これも、〝定年前〟の時間を活用することです。
「自分はどういうビジネスをやりたいか」
「自分が何をやりたいか」を
〝定年前の時間を有効に活用〟して、
多くの〝起業・創業セミナー〟に参加してください。
そして、いろいろな知識を享受して、
多くの友達、友人を見つけてください。
以上は、私が定年退職前に実践したことです。
2021.8.22
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美