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実践するドラッカー[行動編] ⑧

A lesson from P.F.Drucker

 

∵時間の塊をつくる

 

成果をあげるには自由に使える時間を大きくまとめる必要がある。

大きくまとまった時間が必要なこと、小さな時間は役に立たないことを

認識しなければならない。

『経営者の条件』—-p.73


 

成果をあげる人は、まとまった時間の価値を知っています。

細切れの時間をたくさん集めるのではなく、連続した時間の塊をいくつ

つくれたかが重要です。

二時間を一つの塊とすると、睡眠などを除く実働ベースでは一日一六時間、

八つの塊があることになります。そんなイメージをもつと、できるだけ

多くの塊を確保しようという意識が働き、まず予定の入れ方に変化が

表れます。

例えば、来客予定を午前と午後にバラバラと一時間ずつ入れるのではなく、

午前中に二件立て続けに入れるようになります。

次の予定までゆとりがないぶん、一つひとつの打ち合わせに集中して密度

高く行おうという意識が生まれます。

こうして確保した貴重な時間は、「緊急ではないが重要なこと」に使い

ます。メールや電話、ルーティン作業や重要度の高くない業務は、細切れ

時間の中で処理してください。

一日の終わりに、二時間の塊を何個確保できたかを振り返ってください。

同時に、塊を意識して翌日の計画を立てます。多くの塊を使って重要な

仕事を行うようになると、成果の質と量は自ずとよい方向に変わって

きます。

ドラッカー教授はまとまった時間をつくるノウハウを教えているわけでは

ありません。私たち自身で開発する必要があります。

一案としては、手帳で管理を行うのもよいでしょう。次ページのコラムに

簡単な例を紹介します。また、ワークライフ・バランス全体を考慮した

筆者(佐藤)の方法については、一八五ページをご参照ください。

 

コラム 時間の塊を手帳に記録する

 

まとまった時間作りは記録から始まります。簡単なエクササイズとして、

まずは手帳に一週間分、書きとめてみましょう。

当初の計画と、実際に確保できた時間を検証し、時間の感覚を掴みます。

主な手順は以下のとおり。

 

(1) 週の初めに、時間の塊(理想は二時間一コマ)がいくつ取れるか確認する

(2) 前日の夜か当日の朝に、他にもコマが取れるか予定を見直す

(3) 週の終わりに「計画したコマ数」「実際に確保できるコマ数」を比較する

 

例として、一週間単位、横組み型と縦組み型を用意しました。

毎日の欄は線を引くなどして(1)と(2)の記入欄を分けると、塊を把握しやすく

なります。

ちょっと予定を動かすだけで時間がまとまることはよくあります。

みなさんも自分なりの記録方法を工夫しましょう。

 

※ 図は省略致します。

 

 

 

この続きは、次回に。

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