実践するドラッカー[行動編] ㉞
監修者あとがき
ドラッカーとは、それぞれのドラッカーである。立派な説を耳にしても
何か釈然としないとき、ドラッカーはあなたの見ているとおりだといって
くれる。しかも、文明をつくっているのはあなただという。
読者は、ドラッカーが自分のために書いてくれていることを知る。
ドラッカーの関心は、組織がよい仕事をすることにある。
組織が社会に貢献し、同時に組織に働く一人ひとりの人間が、自己実現
する。そのために、貢献を考え、強みを知り、集中せよという。
時間管理、意思決定、自己目標管理、計画について、いくつかの習慣的な
姿勢と基礎的な方法を身につけよという。
ドラッカーの本の指定された章を読んで、気に入ったところ、気になった
ところに線を引いてくる。そして、なぜそこに線を引いたかを発表し合う。
ただそれだけのドラッカー読書会にみながにこにこして集まってくる。
電車で来る人も、車で来る人もいる。札幌に大阪から飛行機で来る人も
いる。
それぞれのドラッカーであるからして、経典じみたものも、拠るべき解釈本も
ない。本書は、ドラッカー読書会から生まれた実践シートやチェックリストを
満載した仕事力錬磨のガイドブックである。
ここでも読者は、それぞれがそれぞれの自家版ガイドブックに発展させて
いくことができる。
本書の編集においては、ダイヤモンド社の前澤ひろみ氏のお世話になった。
深く謝意を表したい。
二○一○年三月 上田惇生
● 釈然
疑いや迷いが解けてすっきりするさま。せきぜん。しゃくねん。
「説明を聞いてもまだ―としない」
● 経典(けいてん)
● 拠る(よる)
1. 根拠とする。「実験に―・る結論」「天気予報に―・ると大雨らしい」
2. (拠る)よりどころとする。のっとる。「法律の定めるところに―・る」
● 錬磨
技芸・学問などを鍛えみがくこと。「心身を―する」「百戦―」
● 謝意
1. 感謝の気持ち。「御厚意に心から―を表します」
2. 自分の過ちをわびる気持ち。「―を表して辞任する」
編著者あとがき
二○一○年一月末に『実践するドラッカー[思考編]』が書店に並び、わずかの
間に多くの反響をいただきました。代表的なものは、実践シートを記入して
多くの課題が見つかったというものです。またシートを書くことで、迷いが
なくなり自信を深めたというものもありました。
手を動かして自分の頭の中にあることを紙面化することは本書のテーマでも
ある実践の第一歩です。著者としてこれらの声に勝る喜びはありません。
もう一つの特筆すべき反響は、同書を用いて「読書会」を社内やコミュ
ニティで開催したいという申し出でした。
その「あとがき」に記しましたように、この書が「読書会」から生まれたと
いう経緯からすると「予期せぬ成功」ともいうべきうれしい出来事です。
各地でこのような動きがさらに出てくればと期待しております。
この二部作では、至言を選定し、理解のためのヒントを記しました。
これを機会に是非、原典に当たってドラッカー教授の真髄に触れてみて
ください。より鮮明になすべきことが見えてくるものと確信しています。
最後になりますが、「思考編」に引き続き、監修いただいた上田先生、
編集を担当された前澤ひろみさんには、心より御礼申し上げます。
そして今回もたくさんの友人知人の協力を得ました。
ありがとうございました。
特に「魔法の質問認定講師」である清水祥行氏には、実践ノートの質問の
ブラッシュアップを、外資系生保に勤める高塚伸志氏には、時間管理の
貴重な実践情報を提供いただきました。
この場を借りて改めて感謝申し上げます。
二○一○年三月 佐藤等
● 至言(しげん)
事物の本質を適切に言い当てている言葉。「それはけだし―である」
● 選定
多くの中から目的・条件などに合うものを選び定めること。
「委員を―する」
● 原典
引用や翻訳などのよりどころになる、もとの文献。「―を引用する」
● 真髄
そのものの本質。その道の奥義。「芸道の―を究める」
● 鮮明
あざやかではっきりしているさま。
「―な印象」「態度を―にする」「旗幟 (きし) ―」
● ブラッシュアップ
ブラッシュアップとは、ブラシをかけるように磨き上げるという意味を
持ち、能力や技術力など今あるものに対して磨きをかけさらに良くする
というニュアンスで使われる言葉である。
簡単にいうと、現状よりも良い状態を目指して、洗練させ完成度を高める
ということである。2020/11/11
今回で、『実践するドラッカー[行動編]』は終了となります。
次回以降も、やはり「ドラッカー」の書籍について掲載したいと思います。
私は毎回、始めに、書籍を読み、次に、「代表のブログ」に掲載し、
次に掲載した「代表のブログ」を読んで、誤字・脱字等をチェック
しております。つまり、1冊の書籍を最低3回は読んでいることになります。
しかし、なかなか〝頭に入りません〟。
それでも、〝好きな本〟を〝毎日、読んで〟〝代表のブログでご紹介する〟
ことが、今では日課-ルーティンとなっております。
● ルーティン
「決まった手順」「お決まりの所作」「日課」などの意味の英語。
たとえば「ルーティンワーク」は、業務上、毎回決まって行う作業を指す。
コンピュータプログラムでは特定の処理を実行するための一連の命令群を
ルーチンと呼ぶ。 野球では先発の打順を「先発ルーティン」などと言う。
皆さんにも、〝日課-ルーティン〟があると思います。
仕事や私生活、いずれにもいろいろな形で〝日課-ルーティン〟があると
思いますので、一度、〝思い返して〟みてはいかがでしょうか。
認知症予防の勉強をした時に、〝日課〟を時々は変更してみると新しい
発見があり、プラスになることを知りました。
私の場合は、〝優柔不断〟で〝好奇心旺盛〟のため、時々は〝道草〟を
致します。これからも書籍を読み、「代表のブログ」でご紹介することは、
継続致します。
是非、楽しみにしていただき、ご自身でも〝興味ある書籍〟を購読されては
いかがでしょうか。
2021.11.17
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美