お問い合せ

「人を動かす人」になれ! ⑫

15.「二番というのは一番の次ではない」—-淘汰の時代の、この考え方

 

バブル崩壊以降の長期化する不況によって企業の二極化、すなわち勝ち組と

負け組の差がはっきりとあらわれはじめてきた。

バブルが崩壊する以前は、ほぼどの業界も上位の四、五社がバランスよく

シェアを分け合い、それぞれ利益を確保してきた。

しかし、これからは淘汰の時代に突入していく。

たとえば、業界トップの会社が過半数を上回る六○パーセントのシェアを

とれば、二位の会社のシェアは一五パーセント、三位はその半分の7.5

パーセントで、四位は四パーセント未満のシェアに甘んじなければなら

ない。

これを利益で換算すると、二位は一位の一○の一、三位は同じく一○○の一、

四位なら利益どころか赤字に転落してしまう。

わたしは、小さい時から「一番以外はビリ」だという発想をしていた。

学校の成績はもとより、スポーツでも、喧嘩でも、昼の弁当を食べるのも

一番でなければ気が済まず、人に負けるのは絶対イヤだと思っていた。

わたしにとって二番というのは一番の次ではなく、ビリの方に近く、

三番ならビリと同じで、何の価値もないと考えていた。

そんな「一番以外はビリ」という時代がやってこようとしているのだ。

 

その勝負を決めるのは、

  ・スピードが五○%

  ・ハードワークが三○%

  ・トータル的能力が一五%

  ・学歴や経験が三%

  ・社歴や知名度が二%

 

だというのが、わたしの分析である。

開発や製造はもちろん、トップの判断や決断、改革にもスピードが求め

られる。時代の変化が激しいだけに、この変化の波に乗り切れない、

あるいは自らが変化をつくり出していくという姿勢のない会社は淘汰されて

しまう運命にある。しかも、従来のような学歴や経験、会社の歴史や知名度と

いったものは、およそ役に立たなくなってしまう。

スピードの時代に重要なのは、強力なリーダーシップであることはいう

までもないが、この状況をリーダーがピンチと見るのかチャンスととらえる

のか、これが勝負の大きな分かれ目である。

 

 

 

この続きは、次回に。

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