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Next Stage 令和4年1月22日「葬儀」

日経新聞 2022年(令和4年)1月20日 「ニュースぷらす」に〝値札の経済学〟の

記事が掲載されております。

主な内容は、「葬儀」に関する内容となります。

私自身も3年前から、「終活」の勉強をしております。

新型コロナウイルスの影響拡大で、「万が一」自分に何があるか分から

ないという自覚もあります。

「代表のブログ」でも、再三取り上げておりますが、改めて、知識の

享受ということで、記事をご紹介したいと思います。

 

2022.1.22

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美


 

値札の経済学

 

コロナ禍の3蜜回避も反映して葬儀の小規模化が進んでいる。

今や親族のみが参列する「家族葬」は主要な選択肢だ。

インターネットの普及で価格の透明化も進み、葬儀各社の基本プランは

40万円前後まで切り下がった。ただ、最終的に喪主が負担する費用とは

数十万円の差が生じるのが通り相場。その実情とは。

 

家族葬、基本プランは底値でも

 

 

「安心でお得」「費用を抑え、お別れの儀式をじっくりと」—。

低価格・明朗会計をうたう葬儀関連各社のサイト上では、家族葬の紹介

ページにこうした言葉が並ぶ。

基本セットやプランの価格を見ると、30万円台後半から40万円台前半と、

およそ40万円前後の設定が主流となっている。

家族葬に明確な定義はないが、形式を問わず親族中心に10〜30人が参列

する小規模な葬儀を指す。コロナ禍以前から需要が拡大し続けてきたのは

通訳・告別式を行う2日間のタイプだ。

葬儀関連情報サイト「いい葬儀」などを運営する鎌倉新書(東京・中央)の

調査(2020年)によると、家族以外の知人が多く参列する「一般葬」の比率が

5割を切る一方、家族葬は4割を超えた。

かつて葬儀には「料金が高く不透明」なイメージもあったが、ネットを

活用する新興勢力の台頭で競争が激化し10年代前半までに価格の低下・

透明化が進んだ。近年は葬儀の平均費用は横ばい傾向にある。

お別れの時間を重視しつつ、極力無駄を省く喪主側の志向の変化もあり、

シンプルな家族葬の需要が高まった。

自ら葬儀を施行する葬儀社のむすぴす(東京・江戸川)の家族葬(2日)基本

セットは、事前問い合わせと優待会員登録(1万円)が条件の割引価格35万

4300円が最安になる。含まれるのは棺(ひつぎ)や生花祭壇、遺影など、

ほぼ必要最低限の項目だ。

一方、自らは葬儀プラン設定と集客を担い、施行は提携業者に依頼する

ネット葬儀社のよりそう(東京・品川)は割引後の40万5900円が最低価格。

むすびすのセットには入っていない式場の利用料金なども含んでいる。

現在の価格体系は、喪主が求める葬儀スタイルの変化に合わせて各社が

項目を絞り込み続けた結果だ。例えばむすびすは5年ほど前の最低価格が

約60万円だったが、食事や返礼品は不要と考える喪主もいるため両項目を

セットから外し、現在の水準になった。

割引制度の内容、プランに含まれる項目などは各社で異なり、表面的な

価格を一律には比較できない。そのうえで両社は「現状がほぼ底値では

ないか」と口をそろえる。

もっとも、これらプランはあくまで振り出しにすぎない。

喪主側が最終的に負担する葬儀の費用はずっと大きくなる。

むすびすの場合は「110万〜120万円ぐらいではないか」(葬祭事業部の

有坂立朗さん)。よりそうの執行役員最高マーケティング責任者の秋山

芳生さんは「感覚として70万〜80万円の事例が目立つ」と話す。

鎌倉新書の調査でも家族葬の平均費用は20年が約137万円(17年は約152万円)

だった。

そもそも式場や火葬場の料金はまちまちで、プランに含まない例も多い。

棺や骨つぼのグレード、生花の量、飲食や返礼品、お布施など各種費用の

変動や追加が生じ、それに応じて実費も膨らむ。

むすびすは喪主と対話を重ねながらオーダーメード式に実施項目を積み

上げるスタンス。よりそうは実際の負担額がプランの想定額を上回る可能性の

ある式場料金なども目安として盛り込み、詳細は施行する提携葬儀社と

喪主側が詰めるスタイルだ。こうした事業モデルの違いにより、プラン

価格と実質負担の差額の大きさも変わってくる。

お別れの儀式に臨み、二つの金額の差に「こんなはずでは」と驚かない

ためにも、できれば事前に複数社にアプローチし、追加料金の詳細を確認

しておきたい。(名出晃)

 

✳️ 知っていましたか!?

 

「低価格=安上がり」は誤解?

 

「家族葬」という言葉が業界に普及したのは01年にエポック・ジャパンが

「家族葬のファミーユ」ブランドを展開したのがきっかけとされる。

同社はその後、社名もブランドと同じ名前に変更した。

低価格の家族葬は〝安上がり〟と思われがちだが、これは誤解だ。

参列者の多い一般葬と違い香典の総額が少ないため、家族葬でも得てして

喪主側に持ち出しが生じる。

 

葬儀費用、数十万円の追加負担

 

 

●●葬儀全体の費用は主に3つに分類できる●●

 

①  葬儀そのものの費用

 

祭壇や生花、棺、遺影、ドライアイス、寝台車や霊柩車、式場利用料、

火葬料金、スタッフ人件費など

     +

②  飲食・接待費用

 

通夜後の通夜ぶるまい、告別式後の精進落とし、返礼品・香典返しなど

                    +

③  宗教関連費用

 

宗教者へのお布施、仏具、焼香用具など

 

●●葬儀にかかった平均費用は横ばい●●

 (鎌倉新書「お葬式に関する全国調査」)

 

2013年 約200万円

2015年 約175万円

2017年 約165万円

2020年 約170万円

 

●●家族葬の比率が一般葬に迫ってきた●●

 (鎌倉新書「お葬式に関する全国調査」)

 

2015年 一般葬 58.9%、家族葬(2日) 31.3%、その他 9.8%

2020年 一般葬 48.9%、家族葬(2日) 40.9%、その他 10.2%

 

●●葬儀の種類別にみた平均費用●●

 (鎌倉新書「お葬式に関する全国調査」2020年)

 

一般葬    約240万円

家族葬(2日)    約140万円

一日葬    約140万円

直葬・火葬式 約  80万円

全体     約180万円

 

※ 金額は私が算出しました。

 

進む簡素・小規模化

 

火葬場だけで儀式も

 

 

21年4月、著名人の葬儀で知られる青山葬儀所(東京・港)が老朽化のため

利用を休止した。大型施設に建て替える可能性もあるが、葬儀の小規模化の

潮流を象徴するかのようだ。

葬儀の形式は多様化しており、今は2日がかりの一般葬と家族葬のほか、

家族らで告別式のみ行う「一日葬」、納棺後ただちに火葬する「直葬」が

ある。より小規模な形式を選ぶ傾向はコロナ禍で加速し、むすびすでは

家族葬と火葬式の比率が8対2から6対4に変わった。足元では家族葬が

再び増えつつあるが「以前の比率には戻らない」と有坂さんは見る。

葬儀の8〜9割は仏式だが、都市部を中心に宗教儀式を行わない「自由葬」が

じわり増える可能性もある。


 

「代表のブログ」-令和3年8月23日「終焉を考える」、8月24日「互助会の

知識」、8月25日「冠婚葬祭とは」も、参考にご覧いただければ、幸いです。

 

 

2022.1.22

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

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