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Next Stage 令和4年2月17日「シニアサポーター」

日経新聞 2022年(令和4年)2月2日 「シニアサポーター」に〝定年再雇用

での給与〟について、記事が掲載されておりました。

退職後の給与については、今後の生活にも関係致しますので、大変な

〝死活問題〟となります。

 

ご参考に、ご紹介致します。

 

2022年2月17日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美


 

シニアサポーター

 

3割減基準に?  裁判例も参考

 

定年再雇用で賃下げ「相場」はあるか

 

60歳で定年になった後、会社の再雇用に応じたら給料が4割も下がる

ことがわかりました。

再雇用後の職場も担当業務も退職前と同じなのに、賃下げになるのは

釈然としません。どの程度まで賃下げを我慢すれば良いのか「相場」の

ようなものはあるのでしょうか?


 

日本の企業の定年は、高年齢者雇用安定法(高年法)により60歳を下回れない。

この法律は65歳まで雇用確保を義務化し、70歳までの就業確保も努力義務

としている。1961年4月2日以降に生まれた男性と、66年4月2日以降生まれ

の女性から、厚生年金の支給開始が65歳となるからだ。

しかし、企業社会では60歳を雇用の節目とする考えが依然強い。

定年で解雇し再雇用する場合、会社は賃金を下げるのが一般的だ。

とはいえ一方的に下げられるわけではない。

再雇用契約時に「労使合意」が必要だ。

再雇用の典型は1年単位で65歳まで更新する有期労働契約である。

会社と条件を交渉するのは、一義的には再雇用で「非正規社員」になる

退職者自身だ。

しかし、会社が大幅削減を主張して交渉にならないこともある。

その場合、賃金決定の規範や削減幅の歯止めはどこにあるのか?

同一労働同一賃金について最高裁判所まで争ったハマキョウレックス裁判

(2018年)の労働者側代理人で弁護士の中島光孝さんは「非正規・正規間の

処遇で『不合理と認められる相違』を禁じたパート・有期雇用労働法8条が

適用される」と話す。

 

● 釈然

 

疑いや迷いが解けてすっきりするさま。せきぜん。しゃくねん。

「説明を聞いてもまだ―としない」

 

● 一義的

 

① 意味が一種類であるさま。 ただ一つで、他に解釈の余地を残さないさま。

② 最も重要な根本な意義であるさま。 第一義的

 

● 規範

 

1. 行動や判断の基準となる模範。手本。「社会生活の―」

2. 《(ドイツ)Norm》哲学で、判断・評価・行為などの基準となるべき原則。

 

● 同一労働同一賃金

 

「正規雇用 ※1、非正規雇用 ※2に関係なく、同じ仕事をさせているの

なら、同じ賃金を支払うべき」という制度です。

会社は、「非正規雇用だから」というだけの理由で、正規雇用の賃金等の

待遇に差を設けていると、その待遇差は認められず、改善することが求め

られます。

※1 正規雇用:正社員、短時間正社員等
※2 非正規雇用:契約社員、パートタイマー、アルバイト、等

 

■ 最高裁「削減自体は不合理ではない」

 

そうなると、気になるのは8条の適用が争われる裁判例だ。

中島さんは「ハマキョウ裁判と同日の長沢運輸裁判の最高裁判決から

基本的な考え方が読み取れる」とする。

長沢運輸裁判は、再雇用後も業務が正社員と同じ嘱託ドライバーが基本給

などを定年時に比べ2〜12%下げられ、精勤手当などが払われないことは

現8条とほぼ同内容の旧労働契約法20条に反するとして会社を訴えた。

最高裁は賃金削減を不合理ではないと判断。一方、精勤手当の不支給は

不合理として賠償を命じた。この裁判でまず重要なのは賃金削減自体は

法違反ではないとの判断だ。

8条は本給や手当を一つ一つに分解し、正社員と非正規社員の ① 職務内容の

差 ② 配置変更の可能性の差 ③その他の事情—-の3要素に照らして検討し、

不合理性を判断していく構造だ。

最高裁は嘱託ドライバーについて①と②は定年前と同じとした。

しかし、再雇用が長期雇用を前提としない点や、厚生年金の受給が予定

される点を会社が賃金削減に動く③の「その他の事情」と認め、同社の

ケースでは削減幅が小さいことも勘案して不合理ではないとした。

では引き下げ幅が大きい場合はどうなるのか?

中島さんは「下級審で4割を超える賃下げを不合理とした例がある」と

する。20年の名古屋自動車学校裁判での名古屋地裁の判断だ。

 

● 不合理

 

道理・理屈に合っていないこと。筋の通らないこと。また、そのさま。

「―な制度」

 

■ 名古屋地裁「4割超減は不合理」

 

同地裁は、運転指導員として再雇用された原告の基本給が定年時の18万円強

から半額以下の8万円程度に減らされ、入社直後の若手正職員よりも低い

ことを疑問視し、「定年時の基本給の60%を下回る(4割超減)限度で不合理」

とした。現在、控訴審が争われている。

もう一つ重要な裁判例がある。17年に福岡高裁で判決が出た九州惣菜裁判だ。

定年時の本給が時給換算1944円だった労働者が、再雇用で時給が半分以下の

900円、週3〜4日勤務で月手取り75%減の契約を提案された事案だ。

低い条件を承諾せず再雇用されていなかったので、福岡高裁の判断根拠は

旧労働契約法20条ではなく高年法という珍しいケースで、福岡高裁は慰謝料

100万円を認めた。最高裁が上告不受理で18年に判決を確定させている。

これらを総合し、やや乱暴に言えば「給与水準によるが1割、2割減は許容

範囲だが、4割、5割減は違法かも」となる。

 

● 疑問視

 

疑問に思うこと。疑わしく感じること。「制度の有効性を―する」

 

23年度、国家公務員が後押し

 

■ 官公庁がきっかけ?

 

だが、民間企業の混迷は収束に向かうかもしれない。23年4月施行予定の

改正国家公務員法に「定年を段階的に65歳に引き上げ、60歳到達後の棒給は

60歳前の100分の70にする」との規定が入ったからだ。

同規定を管轄する人事院給与第一課の担当者は「厚生労働省の賃金構造

基本統計と人事院の職種別民間給与実態調査で、民間の60歳以降の給与が

7割程度(3割減)と把握し、それに合わせた」と説明する。

週休2日が中小企業まで広まるきっかけは官公庁の採用だった。

今回も「60歳過ぎは3割減」がスタンダードになるのだろうか。

弁護士の中島さんは「60歳以降の賃金の本旨について突き詰めて考えて

いない民間水準に、国まで合わせるのは疑問だ」と批判的だ。

(礒 哲司)

 

●●パート・有期雇用労働法8条は再雇用時の賃金減額をどう判断?●●

 

     基本給・賞与・各種手当についてここに考えていく

               ⬇️

    不合理性を3つの視点から適切なものを選んで判断

① 職務内容は正社員と差があるか ② 配置転換の可能性に差はあるか

       ⬇️                                    ⬇️

   ・基本給  ・精勤手当  ・住宅手当  ・休暇規定

                ⬆️

   ③ その他の事情

      ■ 再雇用者は長期雇用を予定していない

      ■ 出生日により厚生年金の一部が支給される  —など

               +

          実際の減収幅はどの程度か

 


 

いかがでしたでしょうか。

 

私は、〝裁判例〟は参考にならないと思います。

裁判沙汰にしてまで、〝再雇用〟を望むのでしょうか。

さておき、昨年度の「代表のブログ」でも私見を述べておりますが、

「一生、会社にしがみついていたい」と考えるならば、〝給与減〟や

〝部下が上司〟になる等々の不満は、一切、言うべきではありません。

万が一、不満や後悔の念を持つかも知れないと思うならば、転職を考える

べきではないでしょうか。

 

私は現役時代に、定年退職後に転職しても、定年前の役職・年収は得る

ことはできないと覚悟しておりました。

 

そのために考えたのが、「起業」することでした。

定年退職2年前に、〝夢の実現〟を志し、〝起業〟して現在に至ります。

現在が社会的に成功しているのか、失敗しているのかは分かりませんが、

私個人としては、〝正しい選択〟であると思っていますし、確実に

〝夢の実現〟に向かっていると感じています。

 

一つ、〝愚痴は溢さない〟〝泣き言は言わない〟そして、「夢を持つこと」。

「夢に向かって、積極的に、アクティブに、活動(仕事)する」ならば、

人生は充実致します。

その逆は、〝無駄に人生を過ごす〟ことになります。

翌々、検討の上、セカンドライフを考えたいものです。

 

 

2022.2.17

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 

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