P.F.ドラッカー 「仕事の哲学」㉛
□ 時間はリアルタイムに記録せよ
時間の記録の方法について、気にする必要はない。自ら記録する人がいる。
秘書に記録してもらう人がいる。大切なのは、記録することである。
記憶によって後で記録するのではなく、リアルタイムに記録することで
ある。
—–『経営者の条件』
● リアル‐タイム(real time)
同時。即時。「歴史的瞬間を―で映し出す」
● スケジュールを組み替えよ
時間の記録をとり、その結果を毎月みていかなければならない。
最低でも年二回ほど三、四週間継続して記録をとる必要がある。
記録を見て、日々のスケジュールを見直し、組み替えていかなければ
ならない。
—-『経営者の条件』
□ 必要のない仕事はただちにやめる
する必要のまったくない仕事、時間の浪費である仕事を見つけ、捨てな
ければならない。すべての仕事について、まったくしなかったならば何が
起こるかを考えればよい。何も起こらないが答えであるならば、その仕事は
ただちに辞めるべきである。
—–『経営者の条件』
□ 貢献しない仕事はノーと言う
忙しい人たちが、やめても問題のないことをいかに多くしているかは驚く
ほどである。楽しみでも得意でもなく、しかも古代エジプトの洪水のように
毎年耐え忍んでいるスピーチ、夕食会、委員会、役員会が山ほどある。
なすべきことは、自分自身、自らの組織、他の組織に何ら貢献しない仕事に
対しては、ノーと言うことである。
—-『経営者の条件』
□ 時間を奪う書類はくず籠に放り込む
地位や仕事を問わず、時間を要する手紙や書類の四分の一は、くず籠に
放り込んでも気づかれない。そうでない人にお目にかかったことがない。
—–『経営者の条件』
□ 行うべき仕事に取り組むために
通常使われている意味での権限委譲は、間違いであって人を誤らせる。
しかし、自らが行うべき仕事を委譲するのではなく、自らが行なうべき
仕事に取り組むために人にできることを任せることは、成果をあげる
うえで重要である。
—–『経営者の条件』
● 権限委譲(エンパワメント)
文字通りの意味は「力を与えること」であり、「個人の潜在能力や可能性を
信じ、引き出すこと」を指します。
エンパワメントは、ビジネスや医療、福祉、教育、社会活動など、幅広い
分野で使われる言葉ですが、その前提には「人は誰もがすばらしい力を
持って生まれ、生涯にわたり、そのすばらしい力を発揮し続けることが
できる」という共通の考えがあります。
● 他人の時間を奪っていないか
他人の時間まで浪費していることがある。簡単にわかる徴候はなくても、
発見のための簡単な方法はある。聞けばよい。あなたの仕事に貢献せず、
ただ時間を浪費させるようなことを私は何かしているかと、定期的に
聞けばよい。答えを恐れることなくこう質問できることが、成果をあげる
者の条件である。
——-『経営者の条件』
この続きは、次回に。