今日の気づき-「蒋介石」と「老子」
2023年(令和5年)10月2日の日経新聞-「私の履歴書 高橋温-三井住友
信託銀行名誉顧問」を読んでいたところ、下記の文章に興味を持ちま
した。
戦勝国として上海に入った当時の国民党政権の蒋介石の言葉をのちに
知った。
「恨みに報いるに徳を以てす」ということ文章がありました。老子の
引用である。
来るべき「国共内戦」を控え、足手まといになりかねぬ膨大な日本人を
円滑に帰国させるのは重要事でもあったろう
私は、これまでに数回、台湾を旅行し、蒋介石の銅像を見てきました。
また、近年は、中国と台湾との問題がおきており、将来「中国と香港
問題」と同様になるのではないかと思い、今年も行ってまいりました。
大変、心配しております。日本にとって、台湾は友好国のように私個人は
思っており、普段通りに旅行に行けるように願っています。
さて、皆さんもご存知のように「蒋介石」について、インターネット
で検索の上、簡単におさらい致しましょう。
「蒋介石」
孫文の後継者として北伐を完遂し、中華民国の統一を果たして同国の
最高指導者となる。第二次世界大戦では同国を四大国の一角にさせ、
連合国中国戦区最高統帥だった[3]。しかし、戦後の国共内戦で毛沢
東率いる中国共産党に敗れて1949年に台湾へ移り、1975年に死去す
るまで大陸支配を回復することなく同国の国家元首の地位にあった。
□「恨みに報いるに徳を以てす」
意味 古い恨みを根にもたず、かえって相手に恩恵を施すこと。2007/11/19
□ 蒋介石はなぜ恨みに報ゆるに徳を以てすと言った?
また国民党の蒋介石は、「徳を以て怨みに報いる」として、終戦直後
の中国居住日本人に対して報復的な行動を禁止しました。
これは「大小多少、報怨以徳」という老子の言葉を引用したと言われ
ます。2012/10/16
□ 「徳を以て徳に報いる」とはどういう意味ですか?
【直をもって怨みに報い、徳をもって徳に報いん】悪意には理性で、
善意には善意で報(むく)いるのがよい。
《論語(久米旺生訳。 徳間書店刊・二版)抜粋》 これは論語・憲問篇
に登場する言葉です。2019/11/02
次に、老子についてインターネットで調べてみました。
□ 老子とはどんな人か?
道家(どうか)の祖とされる中国古代の思想家。名は耳(じ),字は伯陽,
諡は䎳(たん)。 楚(そ)の人。孔子と同時代の人で周に仕え,のち西遊
の途中函谷関(かんこくかん)で道家の宝典とされる『道徳経』(『老子』)を
著したという。
□ 老子が説いたのは何ですか?
字 (あざな) は伯陽。 諡号 (しごう) は耼 (たん) 。 儒教の人為的な
道徳・学問を否定し、無為自然の道を説いた。
□「忘れてはならない大切なことを教えてくれる」老子の10の言葉
1【その身を外にして、身存す】
自分本位になってしまうと、誰からも大切にしてもらえなくなる。
逆に、自分のことは考えず、相手を優先している人は、かえって
その身を重んじられる。
2【爪先立つ者は立たず、自ら矜(ほこ)る者は長からず。】
無理につま先で立ってまで自分を大きく見せようとする人は、バラン
スを崩して挫折する。己の器を知り、謙虚に振る舞うべき。
3【怨みに報いるに徳を以てす。】
相手から嫌な仕打ちを受けたからといって、同じようにやり返して
いては、憎しみは増すばかり。
怨むのではなく、温かく穏やかに接することこそ、人の道というもの。
4【人に与えて、己いよいよ多し。】
豊かな人間になる一番の道は、他人への奉仕をすること。呼吸する時に、
息を吐いてから吸うのと同じように、何かを得ようとするならば、まず
は自分から出さなければならない。
5【愛して、身をもって天下となす】
人として生まれてきたことは、それだけで十分、尊いこと。
自分をもっともっと深く真剣に愛する思いが、人生を豊かにしてくれる。
6【善く敵に勝つ者は争わず。】
器が小さい人ほど、自分を大きく見せるために必死になり、人と争い
たがる。人として器の大きい人は、柔軟性に富んでいるから、人と争わ
ず謙虚でいられる。意図せずとも多くの人に慕われるため、結果的に
戦に勝つ。
7【柔能く剛を制し、弱よく強を制す。】
風に吹かれる柳の葉は、一見すると細くヒョロヒョロとしていかにも
弱そうに見えるが、決して折れることはない。柔軟性やしなやかさこ
そが、真の強さとなる。
8【人を知る者は智、自ら知る者は明なり。】
他人のことを良く知っているのは知恵のある人だが、自分自身を本当
に分析できる人は、さらに知恵のある人といえる。自分自身を悪くし
てしまう手ごわい相手は、自分自身の軟弱さなのだ。
9【その長ずる所を尊び、その短なる所を忘る。】
人はそれぞれ。足の速い人もいれば、絵が上手い人もいる。一人ひとり
長所も短所もあるのだから、その人のいいところを大切にすること。
10【禍は福のよる所、福は禍の伏す所なり。】
不幸の中には幸福のきっかけが、幸福の中には不幸(災厄)の芽が
潜んでいるもの。
書籍もたくさんあるので、気になったら読んでみては。
出典:『老子』 (岩波文庫)
改めて、「蒋介石」と「老子」について調べて見ると、新たな発見が
多くありました。特に、「老子の10の言葉」は、当社「代表のブロ
グ」で紹介している「道をひらく 松下幸之助著」にも言葉は違えど、
同じような意味が随所に出てきています。
2023年10月4日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美