「小さいことにくよくよするな! 」⑦
13. もっと忍耐力をつける
忍耐強くなると、穏やかで好かれる人になるという目標に到達しやすくなる。忍耐力が
つくほど、望みどおりの人生でなければと、かたくなに思い込まずに、現状に満足でき
るようになる。
忍耐がなければ人生は不満のかたまりだ。すぐに不安になったり悩んだりイライラした
りする。忍耐は自分の人生を受け入れるための妙薬。心の平和には欠かせない。
忍耐強くなるには、いまこの瞬間に心を向けることだ。たとえそれがいい状況では
なくても、渋滞にひっかかって約束に遅れそうになっていても、その瞬間に心を
向けることであせりが雪だるまのようにふくらむのをふせげる。
それどころかリラックスするよう自分に言いきかせることもできる。深呼吸するのも
いいし、もっと大きなことを考えて、人生全体を見渡せば遅刻は「たいしたことじゃ
ない」と自分に言いきかせる機会でもある。
(中略)
ものごとを深く見つめれば、たとえイライラする状況にあっても、ほとんどいつも
他人の無邪気さを見いだせると知った。そうすることで、もっと忍耐強く穏やかに
なり、以前はムッとしたはずの瞬間を楽しめるようになるからふしぎだ。
14. 忍耐力をつける自習法
忍耐は、慎重に訓練によって強化できる。
実際に時間をくぎって訓練する方法が効果的。これから忍耐を自習しようと決め、
そのための時間をとるのだ。人生は教室、学科は忍耐というわけだ。
最初は5分から始めて、慣れるにつれて時間を延ばしていく。
まず自分に「よし、これから5分間、ぜったいにイライラしないぞ。忍耐強くなるぞ」
と言いきかせる。
やってみるとびっくりするほど効果がある。忍耐しようと意識すると、ふしぎなことに
忍耐の井戸が深くなる。ほんの5分でも忍耐することを覚えると、自分が本当は忍耐
できる人間だとわかり、もっと時間を延ばしてもいいという気になる。
それを繰り返していけば、本当に忍耐強い人になれるかもしれない。
(中略)
忍耐強くなると、客観的な視点がキープできる。大変な状況のときでも目の前の問題が
「生死にかかわる大事件」ではなく、落ち着けばすぐ解決する「ちょっとしたこと」に
すぎないと思えるようになる。そうじゃないと同じシナリオが非常事態に変わり、どな
ったり叫んだり血圧が上がったりと修羅場になってしまう。そこまですることはない。
子供、上司、気難しい人、困った事態—相手はだれであれ「小さいことにくよくよし
ない」ためには、忍耐力の強化が先決だ。
15. 自分から先に手を差し出す
私たちはみんな怒りを胸にためている。口論、誤解、良心の育て方、過去のつらい出来事。
私たちはだれかが手を差しのべてくけるのを頑固にじっと待っている—-友情や家族との
関係を修復する手段はそれしかないと思い込んで。
(中略)
電話をしてみると、驚いたことに息子は電話をかけてくれたことに感謝し、詫びを口に
したという。こちらから先に手を差し出すことでみんなが勝者になるという、いつもの
ケースがここにある。
怒りをためていると「ほんの小さなこと」が「大きなこと」に変わってしまう。
立場やメンツのほうが幸せより大切だと信じるようになってしまう。
そうではない。もっと穏やかな人になりたいなら、「立場をつらぬく」
ことは、幸せになることにくらべれば取るに足りないと理解しなければならない。
幸せになるには水に流すこと、こっちから手を差し出すこと。ほかの人たちに勝ちを
ゆずること。だからといってあなたがまちがっているわけではない。
なにもかもうまくいくのだ。水に流すことで心の平和が得られるし、ほかの人たちに
勝ちをゆずる喜びが味わえる。
手を差し出せば、相手は心を開いて応じてくれるかもしれない。応じてくれなくても
がっかりすることはない。自分から手を差し出した満足感で、穏やかな心境になれるの
だから。
この続きは、次回に。
2025年5月13日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美