お問い合せ

「小さいことにくよくよするな! 」㉒

47. 「できない」と言うとできなくなる

 

多くの人は自分の限界を主張することに多大なエネルギーをついやす。

「そんなこと私にはとても無理」とか「しかたがないさ、前からそうなんだから」とか

「すてきな恋人ができたためしがない」とか、思いつくかぎりの否定的なことを口に

して自分の限界をつくる。

私たちの意識は強力な道具だ。なにかが手に入らないと思い込むと、自分で設定した

そのハードルを越えるのはとても難しい。たとえば「文書なんてとても書けない」と

思い込むとする。次に、そのことを証明するような例をあちこちから引っ張り出して

くる。高校時代のへたなエッセイ、書くのに苦労した手紙。ためしてみる前に恐怖の

思い出をいっぱいにして自らを制限してしまう。作家でもなんでも、とにかく

なにかになるための最初のステップは、最大の批評家であるあなた自身を黙らせる

ことだ。

 

(中略)

 

彼女は悪いほうへ悪いほうへと考える癖を直すことを学べなければならならなかった。

「私っていつもそうなのよ」と言いかけたとき「そんなのおかしいわ。私はいつもなに

もしていないもの」と自分に言いきかせる必要があった。自分の限界を口にするのは

たんなる癖で、もっと肯定的な考え方に変えられると知る必要があった。

いまでは彼女はずっと前向きになった。昔の癖が出そうになると、そんな自分を笑い

とばせるようになった。

 

48. すべてに「大いなる存在」を感じる

 

ラビのハロルド・クシュナーは、神がつくったものはすべて神聖だと私たちに思い出

させてくれる。

神聖とはほど遠い状況にもその神聖さを見いだすこと、それが人としての私たちの

任務だ。そういう見方をするようになると魂をはぐくむことができるだろう、と彼は

言う。

 

(中略)

 

日常のものごとに神聖さを見いだしたいと願いながら生きていると、ふしぎなことが

起こりはじめる。日常のなかで、以前は見すごしていた慈悲の心が見つかるようになる。

すべてに神の指紋が押されていることを思い出すと、それだけで特別な感じになる。

 

(中略)

 

どこか意識の奥のほうで、すべてに神の指紋が押されていることを思い出すように、

すべてに「大いなる存在」を感じるように意識してみる。

それでもなに一つ美しさが見いだせないからといって、指紋が押されていないわけでは

ない。それが見えないのは、不注意かこちらの視野が狭いせいかもしれない。

 

□ ハロルド・サムエル・クシュナー(Harold S. Kushner)

1935年生まれのユダヤ系アメリカ人。コロンビア大学、アメリカ・ユダヤ教神学院

(JTS)を経て、ラビに叙階された。エルサレムのヘブライ大学にて聖書学博士号を

取得。現在、ボストン郊外のイスラエル・テンプルの名誉ラビ。クラーク大学などで

聖書学を教授する。カウンセラー、グリーフケア・アドバイザー、講演家でもあり、

『なぜ私だけが苦しむのか』(斉藤武訳、岩波書店)で世界的なベストセラー作家と

なり、聖書関連やヒーリング・ブックの著者として名高い。

 

□ 神聖

 

○ 「神聖」とはどういう意味ですか?

 

厳かでおかしがたいこと。清浄でけがれがないこと。 厳粛なこと。 また、そのさま

 

□ 慈悲

 

仏語。 仏・ 菩薩 (ぼさつ) が人々をあわれみ、楽しみを与え、苦しみを取り除くこと

いつくしみ、あわれむこと。

 


 

この続きは、次回に。

 

2025年6月15日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

トップへ戻る