「小さいことにくよくよするな! 」㊱
76. 知らないほうがいいこともある
(中略)
この小噺にはパワフルな教訓が含まれている。なにが起きるか私たちは知るよしも
ない—-知っているよしもない—-知っていると思っているだけなのだ。
私たちはつい大げさに騒ぎたて、頭の中で悪いことばかり起きるシナリオを書きあげる。
ほとんどの場合、それはまちがい。落ち着いていろいろな可能性に心を開いていれば、
やがてすべてはよくなると信じられるようになる。
「そうかもしれない、そうじゃないかもしれない」を忘れないように。
77. 自分のすべてをありのまま認める
(中略)
映画やミュージカルの『その男ゾルバ』に登場するギリシャのゾルバは、自分のことを
「破滅のかたまり」と言ったという。実際に私たちはみんな破滅のかたまりで、そうじゃ
なければどんなにいいかと願っているにすぎない。私たちは自分が完璧な存在にほど
遠いという事実を認めようとするかわりに、自分のいやなところに目をつぶろうとする。
自分のすべてをありのままに認めることが大切なのは、もっと自分にやさしさと共感を
もてるようになれるから。不安だらけで自信がまるでないとき強がって「なんでもない
ふり」をしなくても、その事実を認めて自分にこう言いきかせることができる。
「ビクついてても、かまわないんだよ」と。嫉妬したり貪欲になったり怒ったりした
ときも、その感情を否定せずに認めるようになれば、さっと乗り越えて前に進んでいける。
自分のネガティブな感情を不安がったり否定したりするのを止めれば、そういった感情
に振りまわされなくなる。自分の存在すべてをありのまま認めれば、自分の人生は完璧
だというふりをしたり、そうなって欲しいと願う必要もなくなり、いまこま瞬間に、自分
のすべてを受け入れることができる。
いやなところや欠点だらけの自分をそのまま受け入れると、ふしぎなことが起きる。
ネガティブな感情だけではなくポジティブな感情もあったことに気づくようになる。
自分の利益を頭において行動することもあるけれど、信じられないほど無欲の行動を
とることもあると気づくようになるだろう。不安にかられるときもあるけれど、たいてい
は勇気ある行動をとれることに気づくだろう。カチカチになることはたしかにある。
でもリラックスできることもある、と。
自分のありのままを認めるのは「自分は完璧じゃないかもしれないが、このままで
いいんだよ」と自分に言い聞かせるのと同じことだ。
ネガティブな感情にとりつかれたら、それも自分の一部として認めることができる
ようになる。
人間なんだから当然じゃないか、で片づけず、もっと自分を大きい目でやさしく見るよう
にしてみよう。自分は本当に「破滅のかたまり」かもしれないが、それを認めてリラッ
クスすることができるようになる。すると周りもみんなリラックスする。
この続きは、次回に。
2025年7月31日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美