「小さいことにくよくよするな! 」㊴
83. 100年後は、すべて新しい人々
友達のパティが愛読している作家から学んだという知恵を教えてくれた。
それは私の人生観に大きな広がりを与えた。
時の流れのなかで100年というのはそれほど長い時間ではない。しかし、確実なことが
1つある。いまから100年後、私たちはこの地球にはいないということだ。
それを念頭においておけば、人生の危機やストレスにみまわれたときも客観的な視野に
たてる。
(中略)
今朝も私は仕事のことでちょっとした緊張状態におちいった。2人のクライエントが
同時に現れたのだ。過度のストレスと緊張におちいらずにすんだのは、100年後には
この瞬間を覚えている人、気にする人はだれもいなくなるだろうという考え方の
おかげだ。
私は冷静に自分の間違いの責任をとり、彼らの1人が快く予約を変更してくれた。
これもまた「大ごと」に発展したかもしれない「小さなこと」の例といえる。
84. 期待を捨てれば自由になる
最近は私たちのほとんどがあまりにまじめすぎるようだ。私は長女によくこう言われ
る—-「パパ、またまじめな顔をしているよ」。
(中略)
ピリピリする原因は、なにかが期待どおりにいかないとき、こんなはずじゃなかったと
感じることからきている。ごく単純に私たちはこうあってほしいと願うが、期待どおり
にいかないのが人生なのだ。ベンジャミン・フランクリンが的確にそれを言い当てている。
「私たちはかぎられた視野と希望と不安をモノサシにして人生をはかり、その環境が
理想と一致しないと、それを苦難としてとらえる」
私たちは物や人や期待どおりの出来事を求めながら一生を送る—–それが手に入らない
と戦ったり苦しんだりする。
このきまじめさから抜け出す最初の一歩は、自分に問題があると認めることだ。
そんな自分を変えたい、もっと気楽に行きたいと願うことだ。自分の緊張感は自分で
つくり出していることを認めなければならない。自分で設定した生き方、それに
たいする反応のしかたから緊張感が生まれるのだ。
次に、自分の期待度と欲求不満度の関係を理解しなければならない。なにかが期待どお
りにいかないとき、憤慨したり悩んだりする。その一方で、期待を捨てて人生をあるが
ままに受け入れると、自由になる。何かにしがみつけばきまじめになり、緊張する。
なにかを手放せば軽くなる。
いい練習方法がある。今日一日なにも期待しないでおこう、という日を決めるのだ。
その日は人にやさしさを期待しない。そうすれば人に冷たくされても驚いたり悩んだり
せずにすむ。
もしやさしくされたらうれしい驚きを感じるだろう。今日はなにも問題が起きないこと
を期待するかわりに、問題がもち上がったら「ああ、このハードルも越えなくちゃ」と
心の中で言う。そういう姿勢で1日を始めれば、人生はいかに優雅になるか気づくだろう。
人生に刃向かって戦うのではなく、人生とダンスをするようになる。
練習を続ければ、まもなく人すべてが軽やかになるはずだ。軽やかになれば、人生は
もっと楽しくなる。
この続きは、次回に。
2025年8月9日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美