書籍「Effectuation エフェクチュエーション」 ⑰
✔︎ 3種類の不確実性
こうしたコーゼーションとエフェクチュエーションの不確実性に対する向き合い方の
相違は、それぞれが前提とする不確実性のタイプの違いに起因していると考えることも
できます。エフェクチュエーションを提唱したサラスパシーは、私たちが不確実性と
呼んでいるものに、3つの異なるタイプがあることを、3種類の壺の例によって説明し
ています。
※ 3種類の壺の説明は、省略致します。是非、購読のうえ、ご覧下さい。
✔︎ 予測によっては対処できない不確実性が存在する
(中略)
つまり、多くのビジネスで想定される不確実性(リスク)に対しては、コーゼーションの
予測合理的なアプローチによって対処することが有効である一方で、起業家が生み出す
新たな事業や市場といったものは本質的にユニークであり、同類の経験を多く集めて
分析することによって不確実性を縮減することはできないのです。
✔︎ 予期せぬ事態を「手持ちの手段(資源)」として活用する
(中略)
現実に起業家が経験する予期せぬ事態には、偶然の人との出会いや、情報の獲得、期待
とは異なる結果を含むさまざまな出来事の発生など、いくつもの種類があるでしょう。
こうした予期せぬ事態を、起業家は自らの手持ちの手段(資源)の拡張機会と捉え、たと
えば予期せぬ出会いは「誰を知っているか」、予期せぬ情報や出来事は「何を知ってい
るか」に加えたうえで、新しく「何ができるか」を発想しようとするのです。
✔︎ 偶然がきっかけとなって生み出された科学的発見
実際に、偉大な科学的発見の歴史には、こうした予期せぬ事態の発生とその活用の事例
がしばしば登場します。
著名な事例の1つは、イギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミングによる2つの大き
な発見です。
(中略)
2002年にノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんが、生物が持つたんぱ
く質などの高分子の質量分析に用いられる「ソフトレーザー脱理法」の開発に成功した
きっかけにも、やはり予期せず起こってしまった偶然が影響していました。
※ 詳細は、購読にてご覧下さい。
この続きは、次回に。
2025年11月9日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美

