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書籍「Effectuation エフェクチュエーション」 ㉑

自発的な参加者を重視する

 

エフェクチュエーションに基づくパートナーシップの第一の特徴は、自発的な参加者を

重視することです。つまり、なんらかの報酬や強制によって参加するのではなく、パー

トナーが自ら進んでコミッメントを提供する関係性が大切だと考えるのです。これが重要

な理由の1つは、エフェクチュエーションが前提とする不確実性の高い状況では、当初

の期待通りに進まないという結果がしばしば起こるためです。

もちろん、事業の成功によるリターンを報酬として期待してパートナーシップが構築さ

れることもあるでしょうが、そうした関係性は予期せぬ事態が起こったり、期待通りの

結果が見通せないことがわかったりした時点で、継続することが困難になります。一方で、

パートナーが自発的な参加者であれば、仮に予期せぬ結果が起こった場合でも、起業家

と一緒に手持ちの手段を振り返って、もう一度新しく何ができるかを考えて、レモンか

らレモネードを作ることを模索できる可能性が高くなると考えられます。

自発的な参加者を重視するという特徴は、自らコミッメントを提供しようとする相手で

あれば、そのコミットメントがどのようなものであれパートナーとして歓迎することを

も意味します。つまり、資金や技術など、あなたの事業に必要な資源を提供できる相手

をパートナー候補とみなすだけではなく、逆に、そうでない人々も含む自発的な参加者

に対して、「何を共創することができるだろうか?」と考えて、積極的に拘ろうとする

のです。

 

パートナーのコミットメントの形は多様である

 

自発的な参加者を重視する理由とも関わるのが、パートナーは実際には多様なコミット

メントを提供しうる、という第二の特徴になります。

不確実性の高い環境で試行錯誤するエフェクチュエーションのプロセスでは、あるパー

トナーが果たす役割は1つではなく、実際には、同じ人が複数の異なる種類のコミット

メントを提供することも起こります。

今日では大企業として知られる会社でも、その創業期にはエフェクチュエーションに

基づく意思決定が見られることも多くあります。たとえば、松下幸之助さんが22歳で

松下電気器具製作所を起業したことから始まった、現在のパナソニックの歴史のはじ

まりにも、クレイジーキルト的なパートナーとの関係がありました。

 

(中略)

 

※ 松下幸之助氏が創業した現在のパニソニックについて、記述されております。

  是非、購読をお勧め致します。

 

つまり、流通のパートナーであった自発的な参加者が、出資者に変換されたのです。

このように、最初は顧客や取引先という形のパートナーであった人々が、出資者として

組織に参画したり、といった別の重要な役割を担うようになることは、スタートアップ

や新たな事業の立ち上げ時期では決して珍しいことではないでしょう。


 

この続きは、次回に。

 

2025年11月30日

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

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