お問い合せ

創業者精神‐③

関口 房朗 メイテック社長

私は私生活も含めていつも誠実でなければならない。そうでなければ、

正直に告白してもだれも信じてくれないだろう。—そう自分の心が自分に

言うのだ。企業は人なり。人の心の支持なくして、企業は有り得ない。

 

公文 公 公文教育研究会会長

小学校の教育は、中学校での教育が実るためのいしずえ、中学校での教育は、

高校での教育のいしずえ、高校での教育は、大学での、あるいは社会人として

という具合に、子供たちの将来を願う立場から一直線につながっていなければ

意味がない。私はそういう「才能開発一直線」の考えから不必要な内容を思い

切って整理し、内容も配列し直した方が良いと考えた。

 

長谷川 末吉 ハリマ化成会長

「恒産なければ恒産なし」をこの「銀行苦労」で私は身につけた事になる。

経営には、リスクが必ずつきまとう。そのリスクの本当の恐れは、リスクの

渦中を経た者でなければ分からないのであるまいか—–。

私は‘失敗’‘苦況’を切り抜けて来たゆえに、そう思うのだが、どうだろうか。

経営とは何か。一言でいえと問われれば、私は「リスク・マネジメント」だと

即座に答える。[順風満帆]は「危機」の裏返しであり、「危機」は「順風

満帆」の裏返しだ。私は、そう思う。

 

谷 勝馬 ティアック社長

私たちは優れたモノを作りつづける能力と情熱にはいつも溢れていた。が、

経営はそれだけでは成しえない。優れたモノもタイミングを誤れば世に受け

入れられず、売れない。売れなければ経営は行き詰まる。

そういうタイミングの呼吸を知るのに十余年かかった。

我ながら経営者の資質とは何だろうと考える。

いろいろとその資質、条件に想いをはせるのだが、結局のところ、「人を見分

ける力があるかないか」と、その「我慢」にあると思うのだが、どうだろうか。

苦しい時にどこまで我慢できるか。この一点に人間の未来は常にかかっている、

ように私は思える。

 

古関 秀人 学習研究社取締役相談役

「相は変えられない」と「いいか、悲しい時でも人前では笑え。

つらい時でも人前では微笑め」「人との御縁を大事にする」ことでは

あるまいか。永い一生とはいえ御交際いただける人の数はたかが千人、

二千人。その多少の縁をどう生かすか、それが創業から始まる事業の

成否の要だと思う。

 

西村 政太郎 不二製油会長

大阪大学の上野誠一教授が「会社には個性がなければいけない。

先行者のモノ真似はだめ。企業の永続性は個性を競うところから生まれる」と

言ってくれた。

「ヨソと同じものを作ったらアカン」「ヨソにないものを作らんといかん」

「しんぼう」は会社経営の、重要なフィロソフィー(哲学)の一つになったと

思っている。そして、最後に一つ、それは所詮、経営も人さまに助けてもらう

ものだという気がする。誠実に生き抜いていれば、必ず人さまが報いてくれる

ものだ。この世間というものは、決して捨てたものではない。

 

野村 長 東陽テクニカ会長

私はもともと情報収集は得意であった。欧米のどの会社にどんな技術があり、

どんな産業機器が製造されているのか、そして日本のどの会社がどんな機器を

欲しがっているのか、そういった情報には敏感に反応した。また、取引開始は

取り付けることも私は得意だった。

 

箭内 源典 日本ビューホテル社長

成功の原因は、要約すれば生まれ落ちた時から居た業界をいつも醒めた目で

見ていた事かも知れない。‘好きこそモノの上手なれ’というが、それも事と

次第による。

先祖や先輩たちの軌跡がすべて善ではないのだ。

悪しき習慣があれば、その状況を打破する。

そういう思いがお客様にも必ず通じる。そう信じている。

事業は人だという。商いの発展も業界の発展も所詮は、まず関与する人間の

質に掛っている。質の良くない人間が働くところにお客様が来るはずがない。

略して、「人質」。

‘ジンシツ’と私は呼ぶ。どんな資本があり、立派な上ものを造り得ても、

この「人質」が「良質」でなければ成功しない、私は断言できる。

 

立川 孟美 立川ブラインド工業名誉会長

人さまと恩ある御縁を得て、その都度いただく仕事をとにかく誠実にやろうと

だけ思い、歩いて来たように思う。

それが良かったといえば、そういう事になる。強いて特筆に価する事は、私が

一切の投機的な匂いの強い仕事には手を出さなかったことだろう。

投機的行為は、父親の失敗でこりていた。

地味でいい、着実な、汗を流せば成果が得られる事故とだけを手がけて来たと

いう自負がある。私は、ブラインド以外は何も知らない。

成功の秘密と問われれば、「ブラインド一筋だったから」としか答えようが

ない—-。

 

渡辺 浩二 中央化学社長

「現場を直に見る」ことと「現場を見る」こととは全く別の問題だと思う。

現場を直接見たからといって、経営者として正しく現場を把握した事には

ならないと思う。この違いに気がつかなかったら、私の会社はこれほどまでに

成長しなかったのではあるまいか。重要なのは、経営のトータル戦略であり、

その戦略に沿った現場との組織的コミュニケーション、そして数字で証明される

成果なのだ。要するに、会社の規模が大きくなり、組織が複雑になったときは、

社長は会社的な視野に立って、各組織をうまく動かしていく手腕が何より必要

なのだ。会社は、それだけでは生きていけない。

社長をはじめ多くの人々がかかわって初めて成り立つのだし、成長もする。

「現場を生かす、尊重する」ことと「社長の現場主義」は違うと考える。

今日の私の成功は、ある二度の経営破綻がもたらしてくれたものだ。

私だけではなく、世間に数多くある創業物語も、元をただせば、マイナスの

条件を克服することから始まっているのではあるまいか。

そんな事を改めてこの機会に思いだした。

 

上島 忠雄 上島珈琲元会長

商いは所詮、戦いだ。「商売は戦争だ。生か死か二つに一つしかない。

やった以上勝たなければならない」

「勇将のもとに弱卒なし」経営者が、トップが勇将であれば、社員一人ひとりも

必ず‘勇将’になる。だから社員のためにもトップは常に‘勇将’でなければならない。

社員に働くだけ働いて貰い、自分は楽をしようでは会社は絶対に存続できない。

それが嫌だったら会社の経営などはやめてしまえばいい、私はそう思う。

 

この続きは、次回に。

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